ひよこのオスメスを瞬時に見分けるすごワザ!初生雛雌雄鑑別師のしごと〜世界に誇れる日本の技術!

 

ひよこの雛です。

きょうはひよこにまつわる知られざる畜産技術の話〜!

 

その名も「初生雛雌雄鑑別師」

 

なかなかの漢字ですが、読めますか?

 

分解してみましょう〜〜

 初生雛  ・雌雄 ・鑑別師

しょせいびな・しゆう・かんべつし

 

雛(ひな)だけが「訓読み」というひっかけクイズだったんですね〜。(いや別にクイズじゃないけどね^^)

 

 

 

宣誓〜〜!

 

11月3日、第59回全日本初生雛雌雄鑑別選手権大会が、家畜改良センター(福島県西郷村)で開かれました。

国内はもとよりスペインやニュージーランドで活躍する日本人鑑別師51人が参加しました。

 

選手宣誓は、この秋、養成所を卒業したばかりの宮﨑平さん(24歳)。京都出身。

主催したのは、畜産技術協会と全日本初生雛鑑別師協会です。

 

 

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そもそも初生雛雌雄鑑別師とは?

  (しょせいびな しゆう かんべつし)

 

生まれたばかりのヒヨコの雌雄を鑑別する資格で、

5ヶ月間の養成所での訓練を経て、テスト(考査)に合格した人にのみ与えられます。

 

考査は3段階あり、一部を簡単に説明すると、

 

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8分以内に100羽のヒヨコを鑑別し(3回やるので合計300羽!)、

99%の鑑別率を出さないと合格できません。

1羽につき4.8秒のスピードで判別し、

合計300羽中3羽しか間違えてはいけないというものすごい精密さが求められる技術なのです。

 

*写真 箱の中に100羽のひよこが入っています。

メスなら右、オスなら左、というふうに分けていくのです。

 

*当たり前の話なのですが、意外と抜け落ちがちなので説明しますと、

なんとニワトリの

卵を生むのはメスだけなのですね〜。

なので、卵生産にオスは必要ないわけです。

(有精卵や平飼いを売りしているところはオスも必要としますが、全体の割合からするとごくわずか。数%でしょう)

*ちなみに、養鶏業は鶏肉生産と鶏卵生産の2つに別れます。

鶏肉はオスもメスも関係ありませんが、

卵農家はメスしかいらないので、卸業者(育雛業者)は事前に「判別」して、メスだけを販売するというわけです。

 

 

(左右の手に1羽ずつ、2羽のひよこをいっぺんに持っています)

 

鑑別の仕方は、「肛門鑑別」というもので、

ヒヨコの肛門にあるわずかな突起の形状を見分けるのですが、ほんの1ミリほどで、素人のわたしには全く違いがわかりませんでした。

 

*(写真の左手前の)容器に、肛門に残っている糞をまずピッピッとしぼりだします。

 

最近は改良が進み、羽根で鑑別する方法が増えていますが、

原種や原々種、地鶏にはその特性がないため、肛門鑑別は欠かせない仕事であり技術だというわけです。

 

 

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この日は全日本の大会ですので、参加者はもちろん、

審査員もストップウォッチを持って真剣です。

日本の畜産技術の育成のため、農水省や国の偉い人たちも見守る中、

51人の選手が10人ずつ、8分間の雌雄鑑別に挑みます。

薄暗い明かりですが、判別に適した明かりなのだそうです。

 

 何よりこの方法がすごいのは、世界のどこでもなく日本で開発された技術だということ。

 

1924年、東京大学農学部の先生により肛門の突起物が発見され、

1927年、国際的な学会で発表されました。

日本にも伝統ある地鶏はいますが、

いわゆる卵の食文化、養鶏文化はヨーロッパなど大陸に需要が多いことから、

1934年から日本人鑑別師の海外派遣が始まりました。

外貨獲得の貴重な人材として、ピーク時には年に50人を超える鑑別師が渡欧しました。

 

 

 

 茨城から参加していた草野蕃さん(74歳!現役!)にお話を伺いました。

 

70年代から、フランス、ベルギー、ドイツなど10カ国以上に渡り、当時は特に高待遇だったので、お出迎えは毎日ベンツ!

鑑別師は大変名誉ある専門家として歓迎されていたんですね。

小さな指先の器用さや瞳の色などから日本人にむいている技術のため、就労ビザがとりやすく、今でも12カ国で60人が活躍しています。

 

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 さて、今大会で優勝したのは、ニュージーランドで活躍中の篠原信吾さん(45)さん、タイム4分40秒。

 

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2位は千葉の後藤佳寿子さん(30)

 

 

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同じく2位の岩手の福井充さん(59)〜!

同タイム5分50秒、

 

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4位の金城亜紀さん(43)までが100%達成でした。

おめでとうございます^^

優秀な女性も多いんですね〜!

 

 

参加していた女性たちにこの仕事の喜びを聞くと、

「難しいからおもしろい、

達成感がある、

技術職だから仕事次第で早く帰れる

(平日休みがある、産休育休から復帰しやすい、子育てしながら仕事続けられる)、

海外暮らしができる

 

ひよこが好き、ヒヨコに癒やされる」など、

自分らしい仕事をしたい、向上したい、職人肌の人が多いようです。

 

とはいえ、なぜ鑑別師なのでしょう?

どれだけ贔屓目に見てもマニアックですよねえ。

 

古谷万里江さん(23歳)いわく、(写真左)

「農業高校を出て、酪農家になるのが夢だったけれど、自分が

牛アレルギーだということがわかり、諦めざるを得なくなった。

そんなとき農業高校の先生に、「動物が好きならヒヨコの雌雄鑑別師という資格があるよ」と教わって今の仕事に巡り合えたそうです。

なんと、つい最近まで3年8ヶ月、スウェーデンで鑑別師として活躍していました。

 

 

 

そんな万里江さんが大会に挑む様子を密着させていただきました!

まずは、照明の具合を念入りにチェック〜〜

 

 

 

スタート前

ああ〜ドキドキする〜

 

 


いよいよ本番!

張り詰めた会場にぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよぴよ

ひよこの鳴き声だけが響き渡ります。

 

今回は惜しくも入賞には至りませんでしたが、力を出し切りました。

これからは国内で経験を積むそうです。

 

 

 

こちら(手前右)は岡山から参加の門脇勝彦さん(64歳)。

今回は惜しくも8位入賞でしたが、かつては優勝経験もあるベテランです。

 


 

終了後、門脇さんにインタビューしました。

 

地味〜〜な仕事に見えるけど中に入ったらたまらない。

 

 

 

なんと最高齢で参加した伊藤勝治さん(80歳)

鑑定師としてヨーロッパ各国で活躍した後、スペイン人の奥様と出会い、

いまはスペインに永住されています。

今回は、腕試しとして、一時帰国して参加されました。

 

しかし、いろんな人生があるものですね〜。

 

みなさんに共通していたのは、生き物が好きで、畜産技術の仕事に誇りを持っているということ。

生産者の仕事をかげで支えるエキスパートとして、海外と国内の両方に活躍の場が求められているということです。

一生かけてやりがいのある仕事ですね〜。

 

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日本が世界に誇れる初生雛雌雄鑑別師、マニアックなだけにその分野では貴重な存在で、やりがいのある仕事ですよね。

 

オスかメスかを瞬時に見分ける。

自分の目と経験が頼りの技術職ですので、

いわゆるふつうの会社勤めをしたくないという動機で今の仕事を選んだ方もいました。

 

初生ひな雌雄鑑別師のおしごとに興味を持たれた方は、畜産技術協会まで^^

 

次回は、初生雛雌雄鑑別師になるために欠かせない「養成所」が茨城県にあるのです。

こちらを訪ねてきましたので報告しまーす!

 

当日動画はこちら(ニュース)全日本初生雛雌雄鑑別選手権大会が家畜改良センター(福島・西郷村)で開かれました!

 

 

 

おまけ記事はこちら
 

 

 

ベジアナ・ひよこアナ・あゆみ

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