ひな鑑別師という生き方~自分らしく働ける仕事をえらぶ時代

いよいよ新年度のはじまりです。

社会へ新しいスタートを切る人も多いでしょう。

世の中いろいろありますが、

ともあれこの春休みに、きょうはちょっと珍しい仕事をご紹介します。

 

image

 

もふもふのかわいいひよこに囲まれて、

なんと日本全国に、いいえ世界中に

わずか183人しかこの資格を持つ日本人はいない仕事です。

 

image

 

それは、ひな鑑別師。

 

なんとなく聞いたことのある人はいるかもしれません。

海外で活躍する人も多く、テレビでもこんなところで活躍する日本人!といった番組で紹介されることがあります。

 

image

 

正確には、「初生雛鑑別師」。

生まれたばかりのひよこのヒナがオスかメスかを見分ける資格を持った技術職です。

 

image

 

昨年11月、「初生雛(しょせいびな)雌雄鑑別選手権」第60回の記念大会が、

福島県にある家畜改良センターで開催されました。

参加したひな鑑別師は、スペイン、フランス、ニュージーランドなど

世界各国と、全国各地で活躍する51人です。

 

主催は、畜産技術協会および全日本初生雛鑑別師協会で、

大会会長の南波利昭さんによりますと、

「技術レベルを上げることやモチベーションの向上もありますが、

全国各地や世界中で活躍している人たちが年に一度集まって、

情報や近況を報告しあうことを皆さん何より楽しみにしているのです」とのこと。

この秋、養成所を卒業したばかりの仲村竜馬さん(19歳)の選手宣誓でスタートしました。

 

 

image

 

競技では、制限時間8分以内に、100羽のヒヨコを鑑別します。

 

98%以上の鑑別率を出さないと失格!
つまり、2羽までは許されますが、3羽オスメスを間違うと失格となるひじょーーに厳しいルールなのです。

 

image

 

ひよこ1羽の鑑別は平均3秒前後

 

 

 

ぴよぴよぴよぴよヒヨコの鳴き声だけが響き渡る会場で、8分間の真剣勝負が10人ごとに繰り広げられました。

 

image image

 

写真の2人は、鑑別師めざしてがんばる見習い中~。
意外と女性が多んですよね。

今年の大会は、51人中11人が女性でした。

ひよこが好き、動物が好き、サラリーマンとは違う仕事がしたいなど、みんななりたい動機は様々です。

 

image

 

鑑別は「肛門鑑別」という方法。

肛門の内側にある1ミリほどの突起でオス・メスを見分けますが、

説明を受けても普通はまずわかりません。

 

ヨーロッパで暮らしてみたいという夢が叶い、

スペインやベルギーで9年間鑑別師として過ごし、

今は岡山で勤める金城亜紀さん(44歳)に見分け方のコツを尋ねました。

 

 

 

 

 

image

 

ひよこのお尻に残っている糞をピッと手前の容器にしぼりだし、

 

image


肛門を開き気味にすると、

オスはニョキッと弾力がありコンニャクみたい、メスはベタッと柔らかく豆腐みたい」とのこと。

コンニャクと豆腐の触感の違い・・・

微妙な違いではありますが、慣れてくるとはっきりとわかってくるそうです。

 

いわゆるテキストもありますが、写真だけでは見分けはつきにくく、

視覚、触覚、指でお尻をおしたときの動きや全体の感覚で見分けます。


100羽いたらそのうち7~8羽は判別しにくいひよこが出てくるそうですが、

みなぞれぞれの経験や判断基準を用い、全神経を注いで見極めるそうです。

しかも2~3秒で!

 

先進的なドイツでは卵に赤外線を当てて識別する最新鋭の技術も開発されていますが、

正確さとスピードを考えると、まだまだロボットよりも人間の方が上なのだそうです。

 

鑑別の魅力は、判断が難しく、ミスもあるからこそ次は100%を出そうと意欲が湧く。

終わりなき自分との闘いゆえに向上心、やりがい、喜びがあるようです。

 

image

 

今回10位に入賞した高橋香織さん(41)は鑑別師になる前、アパレルの販売員をしていました。

テレビのクイズ番組で、フランスで活躍する日本人鑑別師を見て、コレだ!と思い立ち、

鑑別師になってスウェーデンで永住権を取り、ベルギー、イタリア、デンマークなど8年間をEUで過ごし、

 

image

 

今は新潟で鑑別師を続けながら、アクセサリーやー陶器に関わる仕事もしています。

年収は仕事量にもよりますが、
鑑別は週4日で、お昼ぐらいに終わるので、自分らしい働き方もでき、

見極めるコツもつかめてきて「わたしの天職です」とイキイキと語ってくれました。


 

image image

 

優勝したのは、鹿児島県さつま町の室屋博和さん(67歳)。

その秘訣は、「答えはひよこが教えてくれる」とのこと。

V達成12回目のベテランで、記録は4分36秒。

1羽を2.8秒で判別したことになります。

 

image

 

ひな鑑別師!全員集合~!
今年は5位までが熟練の男性でしたが、6位と7位には、20代男性と30代の女性も入賞しました。


 

image

 

鑑別師になりたての1年目や鑑別師のたまごたち。

 

image

懇親会場にて。

全国、海外から集まった鑑別師の皆さん。来年は優勝を狙うぞー!

 

卵の生産を縁の下で支える初生ひな鑑別師。

難しい仕事だからこそ、その人らしい生き方や、やりがいがあるんですね。

 

農水省の広報誌affによると、2016年現在の有資格者は全国わずか183名!

日本発祥の技術という貴重な専門職で、半数以上は海外で活躍しています。

 

 

初生ひな鑑別師のおしごとに興味を持たれた方は、畜産技術協会まで。

 

「初生雛鑑別師」になるには、まず5ヶ月間の養成所を経て、試験(高等考査)にパスしなければならず、

さらに現場(ふ化場)で研修を積みながら技術を磨き、

合格までおよそ1年~2年かかると言われています。(個人差あり)ます

5月に「養成所」(茨城)の入学式があり、5ヶ月間学びます。

 

 

ベジアナひよこアナ@あゆみ

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする