飼養衛生管理基準の改正で「舎外飼養の中止」が消えたことを、喜んでいいのか?どうなのか?

きのう6/12農水省の食料農業農村政策審議会(家畜衛生部会)で、

かねてから話題にしてきた

「家畜伝染病予防法」が定める「飼養衛生管理基準」の改正について持ち回り審議が行われ、最終案がまとりました。

https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/eisei/bukai_44/index.html?fbclid=IwAR1jZ2EOOHf6gkBF1u6xMi6Ztuap4ZZKgLzdMAsAZfPMy3hLYnWGflHVjVU#siryo

 

その結果、きょう6/13の日本農業新聞では一面に

「放牧中止を削除」とありました。

https://www.agrinews.co.jp/p51068.html

 

あっちこっちで声を上げてきた成果だとこれは喜んでいいニュースなのでしょうか、どうでしょうか。

農水省の発表資料を見ていきたいと思います。

 

まずは、このブログでも呼びかけてきたパブリックコメントについて農水省のまとめ。

https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/eisei/bukai_44/attach/pdf/index-5.pdf

 

飼養衛生管理基準の改正についてのパブリックコメント概要

(6月 11 日時点) 

 

1. 大臣指定地域における舎外飼養の中止に係る意見

 

 (1) 放牧養豚関係者や一般消費者等から、

「舎外飼養の中止」の追加について  (意見を一部抜粋) 

 放牧養豚農家の事業継続が困難となる。今までの投資分も含めて補償して ほしい。

 健康的な放牧豚を好む消費者から選択肢を奪わないでほしい。

 柵の設置、豚熱ワクチン接種等を実施している中で、さらに放牧禁止とする科学的根拠を示すべき。 

 アニマルウェルフェアの観点から、国際社会の対応に逆行している。 

 オリパラの調達コード要件や農水省の放牧推進政策との整合性をとるべき。 等

 (2)さらに、放牧管理している他畜種(牛、山羊)の関係者からも、

 「舎外飼養の中止」の追加について反対する意見が寄せられた。

3. 基準の各内容に対する意見

 マニュアルの作成は、小規模農家では対応が困難である。 

 放牧地では未消毒の沢水や雨水を飲ませるため、飲用水に係る規定は削除 してほしい。

 

以上のパブリックコメントを受けて、

書き換えられた最終案はこちら

 

まず、多くの人が削除を求めていた

「大臣指定地域においては放牧場、パドックなどにおける舎外飼養を中止すること」

 

(前の案)

image

 

(最終案)

 

image

 

最終案では、多くの人が削除を求めていた

「大臣指定地域においては放牧場、パドックなどにおける舎外飼養を中止すること」

が、ばっさりと削除されました。

ただ、わたしが前から気になっていたのは、

この26項目は、〔物品に関する事項〕の位置です。

家畜の飼養管理に必要のない物品を畜舎に持ち込まないこと。の文言のあとに、

「大臣指定地域においては放牧場、パドックなどにおける舎外飼養を中止すること」

という重要な一文が、なぜか物品の持ち込み禁止のあとに、ついでみたいに書かれていました。

最も重要な「家畜の飼養場所」を示すのに、ここは適していたのでしょうか。

という疑問があり、わたしはパブコメに書きました。

この項目に書き込む話ではないんじゃないですかと。

物品に関する事項」の中ではなく、

書くとしたら「飼養環境に関する事項」もしくは、「家畜に関する事項」という名目が

ほかに並んでありますので、書くとしたらそこでしょうと。

 

衛生管理基準といっても国の定める法律ですから、大前提として、

日本語の書き方は正しくないといけませんからね。


では、

「大臣指定地域においては放牧場、パドックなどにおける舎外飼養を中止すること」

という文言はどこへ行ったのか?
本当に「舎外飼養の中止」は一切なくなったと考えてよいのか???

 

image

こちらは(牛・ヤギなどについて)

9 放牧制限の準備 【令和3年10月】という項目です。

 

(前の案)

9 放牧の停止又は制限があった場合に備え、家畜を飼養できる畜舎の確保又は出荷若しくは移動のための準備措置を講ずること。

 

最終案では以下に変更

 ↓↓↓

 

 法第三十四条の規定に基づく放牧の停止又は制限があった場合に備え、家畜を収容できる避難用設備の確保又は出荷若しくは移動のための準備措置を講ずること。

 

畜舎の設備を要件にしていたのが、避難用設備の確保に変わりました。

畜舎を準備しておかなくて済むということですが、

 

書き加えられたのは、 法第三十四条の規定に基づく」 です。

 

「法」とは、家畜伝染病予防法のことで、その第三十四条とは

つまり「放牧などの制限」。

以下。

 

 

image

 

 

第34条は前から定められていたもの。

 

都道府県知事は、家畜伝染病のまん延を防止するため必要があるときは、規則を定め

一定種類の家畜の放牧、種付、と畜場以外の場所におけると殺、

又はふ卵を停止し、又は制限することができる。

 

 

そもそも「放牧(の制限)」について述べる項目は、

9項目だけに記しておけばよかったのに、

26「畜舎外での病原体による汚染防止」にもわざわざ、

「舎外飼養を中止すること」と明記したものだから、(はっきり言って重複する)

それを目にした人が、インパクトがあり過ぎて驚き、

今回のように色んな人や団体が反対運動や、パブコメを寄せる結果になったのではないかとも思えます。

 

 

よって、

26項目の

「大臣指定地域においては放牧場、パドックなどにおける舎外飼養を中止すること」

が削除されたことを喜んでいいのかどうかよくわからない気もするのですが、

とにかくなくなったのは事実です。気分的に安心できます。

 

また、9項目の

 

家畜を飼養できる畜舎の確保

が、最終案で

 ↓↓↓

家畜を収容できる避難用設備の確保

 

 

になり、畜舎の準備の義務はなくなったということについては、

よかったと言えるのではないでしょうか。

(わかりにくくてすみません。)

(わかりにくいのです。)

 

 

 

また、豚に関しての最終案でも、
まず、等については、「畜舎の確保」が変更になりました。

 「大臣指定地域においては、放牧場について給餌場所における防鳥ネットの設置及び 家畜を収容できる避難用の設備の確保をすること」を明記。

 

条件付きとはいえ、書き方を考えたということでしょう。

 

そして、パブコメには

2. 衛生管理区域内における愛玩動物の飼育禁止に対する意見(一部のみ抜粋) 

下記の理由から反対する意見が寄せられた。

ネズミ対策として猫を飼育しており、禁止しないでほしい。 

野生動物の侵入防止のために犬を飼育しており、禁止しないでほしい

 

 

牧場にイヌやネコはつきものですし、

ねずみよけのネコや、イノシシ対策として番犬がいる場合が多いので、

わたしも飼育禁止の要望を出しましたが、却下されました。

image

 

11 愛玩動物の飼育禁止 はもとの案のまま盛り込まれました。

 

これはとても残念な結果です。

今後どうなるのかわかりません。

 

 

というわけで、解説になるのかどうかわかりませんが、読んでみての感想までです。

 

国が防疫のために改定しようと、官僚の頭のいい人たちが

考えを練っているのですから、

いろなシミュレーションも踏まえての案で、

一言でよかったともだめだったとも言い切ることはできませんが、

ともかく、今回、生産者や関係者が声をあげたことはよかったことではないでしょうか。

 

法律はえらいひとが霞が関で勝手に決めるのではなく、

今回の場合は、生産者や関係する人、もちろん食べる側の消費者も、

それぞれの立場から声をあげて、それを取り入れた末に作られるものですよね。

 

今後もウォッチし続けていきたいと思います。

 

人任せじゃない。

自分たちが頭をひねって考える問題。

 

ケネディさんの言葉を思い出しますね。

 

Ask not what your country can do for you; ask what you can do for your country.

 

 

John F. Kennedy (ジョン・F・ケネディ)
 

国があなたのために何をしてくれるのか、ではなく、

あなたが国のために何ができるのかを考えよう。

 

 

今回のことだけじゃなくね。

 

ひとまずきょうはこのへんで~~~

 

 

ベジアナ バランスだいじ!あゆみ

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