介護百人一首から見えてくるもの。昨日ご覧いただき感謝。番組で語りきれなかたこと。

昨日、放送をご覧いただいた皆さま、ありがとうございました。

個別メッセージやLINEでもたくさん感想をいただきました。

中でも多かった感想は、橋本さん。すごい人がいるねーと!

 

小田原市で、妻に先立たれ2人の障害の子を持つ

橋本廣秋さん(78歳)。

 

短歌はこちら。

 

介護するわが禿げ頭に口づけす もの言えぬ子の感謝の言葉か

 

短歌だけを読んだときは、小さいお子さんかお孫さんのことかと想像していましたが、

生まれた時から障害があり、いまは45歳になった息子さんのことだったのです。

 

一緒に暮らしていましたが、コロナにより施設へ通いができないため、

現在は施設へ入所中の息子さん、橋本さんは毎日欠かさず会いに行きます。

息子さんは言葉は話しませんが、態度で嬉しそうに橋本さんにすり寄ってくるのです。

 

橋本さん自身、幼い頃から苦労して苦労して夜学で高校を出て、

やっと結婚して子どもが生まれたら二人とも障害を持っていた。

そのためにこの子達に何がしてやれるかと考えたとき、

職業を変えて「看護師になる」と決意し、妻の協力のもと、

37歳から看護学校へ通います。

 

そうしてやっと看護師になり、余裕もできたと思ったら奥さんを介護の末に失い。

 

なんという人生だろうと、人は思いますが、

橋本さんは、この歌とお子さんについてこう語りました。

 

「トイレ介助するとき、ちょうど息子のあごがわたしの頭のはげに当たるんですね。

そこに口づけしてくるんです。

ああ、これは言葉をしゃべれない子の、感謝の言葉なんだなって。

わたしも幸福に満ちてるって感じて、幸せな気分になります」

 

 

ないものねだりより、あるもの探し。

失ったものを嘆くのではなく、与えられたことを喜ぶ。

 

そんな教訓をときどき聞きますが、橋本さんは、なんと「幸福に満ちている」とおっしゃいました。

わたしの友人知人先輩にも、介護の渦中や経験者がいますが、

その人たちからも、すごい人がいるねと。

 

自分には到底できないけれど、と言って、無理だな、で終わるのではなく、

なにか生きる勇気、希望をもらえる気がしました。

 

 

少し前、ALSの女性の自殺ほう助の事件がありました。

あのニュースを聞くたびに思います。

あの女性は、人生に絶望してしまったのだろうなと。

生きる希望、小さな光が持てなかったのだろうなと。

 

ALSの人と家族を取材したことがありますが、

その親子さんは、あらゆる方法でコミュニケーションをとり、会話していました。

音声や文字の言葉以外の方法で。

 

健常者同士の会話って、言葉がメインのようですが、実は人間同士は、

表情や、しぐさや、いろんな情報を発信・受信しあっているんですよね。

 

目は口ほどに・・・。

ですね。

 

息子さんが禿げ頭に口を付けてくる。

それで満ち足りた気分になる。

 

もちろん、わたしはそんな境地に到底及びません。

 

自分に介護がふりかかったとき、自分はどうなるか。自身もありません。

 

しかし、こういう先輩がいることを知っている人生と、知らない人生とでは、

何か起きたときずいぶん、受け止め方は変わってくるのではないか。(希望~)

 

そんなことを感がさせてくれる介護短歌と橋本さんのお話しでした。

 

昨日、番組ご覧になれなかった方、再放送があります。

 

来週の火曜日、9月1日(火)13:05~から

https://www.nhk.or.jp/heart-net/program/heart-net/1497/

9月1日(火) 午後1時05分 〜 午後1時35分(再放送)

 

さらに同日の夜、20時からは、介護百人一首夏編その2(後編)として、

新たな家族の介護と短歌を紹介します。

 

https://www.nhk.or.jp/heart-net/program/heart-net/1505/

9月1日(火) 午後8時00分 〜 午後8時30分

 

いずれもよかったらご覧になってね。

お忙しい方は録画していただくもの歓迎です。


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