お正月恒例〜初ムービーは、遅ればせながら
「君の名は」を 尼崎MOVIXに観に行ってきました。
よかったですよ〜。
巷では恋をしたくなるとか結婚したくなる映画だと言われているらしいけど
わたしは、え?どこが?これめっちゃ農山村問題じゃん。
地方創生アニメ、都市農村交流、ダム問題、ふるさと回帰アニメとも言えるでしょう〜と思った。(←ほんとうにそれ以外ないぐらい〜でした)
見る前はいわゆる「転校生」みたいな設定だということしか知らなかったけれど
(大林宣彦監督の尾道三部作の一つ「転校生」。わたしはあの映画のテイストが好きで、いまだに尾美としのりも小林聡美も好きです〜。)
でもそんな〜俺があいつであいつが俺で〜的な男女逆転の設定はむしろ、話を進める上での演出に過ぎず、
見るうちに、「土地の記憶」というフレーズが受かんで来て消えなかった。
“彗星の墜落”でなくとも一晩にして消滅した町や集落というのは、昔から日本の中にいくつもあるから。
ダムに消えた村、徳山村のことを思い出した。
昔、「ありがとう徳山村」だったかな、そんな写真集を見たことがあった。
信州の村だと思い込んでいたのだけど、いま調べたら岐阜県であった。まさに映画のモデルの地域と重なる。
(美濃太田行きの列車が出てきます)
とにかく長野だろうと岐阜だろうとどこだろうと、日本の農山村にかつてこうした話はいくらでもあると思った。
ダムに沈んだ村
火山にのまれた島
津波で流された村
地殻・気候変動あらゆる自然災害、
あらゆる不測の出来事で消滅を余儀なくされた地域
そうした「土地の記憶」が、あの女の子の姿を借りて、都市に生きる青年に訴えて来たのだと思えた。
だから男女入れ替わりはキャッチーだからいいんだけど、話としては入れ替わりじゃなくても、夢のお告げでも、精霊でも、幽霊でも、なんでもいい、いわゆるメッセンジャーとしての乗り移りだと思えた。
(途中、アルマゲドンを彷彿させるシーンもありました、個人的にはあれだけちょっとわかりませんでした)
まああれこれ考えさせられることのある映画でした。
2年ほど前、高知の山あいの棚田の民宿に泊まったとき、夜の星がびっくりするぐらいきれいで、
「裏山に隕石が落ちた跡がある」と聞いたことがあったのを思い出した。
そのときは行けなかったのだけど、
日本の村にそういう歴史や物語はあるだろうなと。
なんらかのあらがえない出来事で、一晩にして消滅した土地の記憶
消えた村はただ黙って消えたわけではなく
いろんな魂の叫びや訴えを内包しながら、何らかの力にのみこまれて消えた
つまりそこに人々の暮らしがあった。
そもそも災害の起こりやすいこの国は、そうした村や町の誕生と消滅の繰り返しでできてきたのだ
だからわたしが君の名はを見て感じた感想は、
消えゆく農村や山村、土地の記憶のことを考えた。です。
と、友達に話したら、あの映画見たら恋をしたくなるとか、結婚したくなるとかいうらしいよと言われたので、え?そうなん?どこが?とわたしは言った。
でも友達はその映画を観ていないので話はそれで終わり〜。
だからあれですねえ
映画の感想だけは、人のレビューほどあてにならないものはないですね
どんな映画も、そこに何を投影するか、何を汲み取るかで、その人のこれまでの経験や思考の回路が知れるというものだ。
人と同じ感想しか出てこない人生はつまらない。
いや〜〜
農山村と都市との交流を考える機会になる映画でしたね。
新海誠監督のプロフィールを今になって見たら、長野県小海町でした。
あの山あいを走る鉄ちゃん垂涎の単線で知られる小海線の町ですよ。
やっぱ、ふるさとを思う映画でしたね〜。
それと徳山村へのオマージュもあるかもしれません。
しかしあれかあ〜。
「君の名は〜消滅した村の記憶〜」なんて言ってもあまり見る人はいないだろうからやはり、
「君の名は〜恋をしたくなる〜」というイメージ戦略は必要なのかもね。
でないと興行収入213億はいかないだろうから。(12/25現在)
でも調べたら「もののけ姫」は193億だったそう。あれは恋の映画じゃなくて自然(山の神様)がもののけの形を借りて人間界に怒ったという映画ですよね?違うかな。まあ宮崎駿さんのビッグネームがあるしね。
というわけで、わたしが見た感想からサブタイトルを付けると、
「君の名は〜消滅した山の村の少女が都会の男子に乗り移りお告げをしに総武線沿線(代々木・新宿・四谷)にやってきた」
になります。
あはは、根も葉もない〜。きっと誰も見てくれないやさ〜〜〜(←映画の中の飛騨弁)^^!
ベジアナあゆ